【ご質問】
ベテラン社員なのですが、最近、スキを見つけては仕事をさぼります。
管理職である私が注意しても、反省する様子がありません。
どう対応したら良いでしょうか。
【回 答】
ご質問のような社員は、周りの社員に悪影響を及ぼすことから、会社として
は辞めてもらいたいと思うのが本音かと思います。
しかしながら、会社が社員を解雇することは、裁判例などを見る限り、非常
にハードルが高いのが現状です。
従って、解雇を視野に入れるのであれば、高いハードルをクリアするために
も下記のステップを踏むようにしてください。
1.上司の文書による注意
まずは、上司が無気力な社員に対して注意を行います。
その際に、重要なのは口頭で注意するのではなく、文書で注意をし記録して
おくことです。
注意の対象は、無気力な性格などの漠然とした理由ではなく、仕事中の居眠
りや遅刻・無断欠勤など勤務態度不良行為について指摘することが必要です。
2.懲戒解雇以外の懲戒処分の実施
上司が何度注意をしても改善されない場合、就業規則に基づき懲戒処分を実
施します。
一般的な就業規則では、懲戒事由について「服務規律に違反した場合」や
「出勤状態が悪く勤務不熱心な場合」などの規定が定められているかと思い
ますので、それに基づいて処分を行ってください。
まずは、一番軽い処分である「譴責」や「訓戒」を行い、始末書や顛末書を
提出させます。
譴責や訓戒を繰り返しても改善されない場合は、次に「減給」、「出勤停止」
を行い、懲戒処分を重くしていきます。
3.懲戒解雇の実施
1.2.のステップを行っても、心を入れ替えない場合は、最終手段とし、
「諭旨解雇」または「懲戒解雇」を検討する必要があります。
上記のような段階を踏まない解雇は、不当解雇として無効とされるケースが
多いですが、再三の注意や懲戒処分を行った後の解雇は有効と判断される可
能性が高くなります。
ただし、早く辞めさせたいとの理由から短期間で上記のステップを踏み解雇
に導くことは賢明ではありません。
その社員に改善の機会を十分に与えなければならないことからも、6ヵ月以
上の期間は必要になってきますので、その点はご留意ください。
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