今回のテーマは「小林製薬の商品ネーミング」についてです。
小林製薬の商品はよくCMで目にしますが、ダジャレ交じりのユニークな商
品名は一度聞いたら忘れられないようなものばかりです。
CMを聞き流していてもどんな商品かがわかるほどのネーミングセンスにい
つも驚かされています。今回は小林製薬のわかりやすくユニークな商品名に
注目してみたいと思います。
小林製薬は1886年の創業以来、多様化し続ける生活者のニーズに応える
べく、「創造と革新」の精神を経営理念に掲げ、多くの「あったらいいな」を
カタチにしてきました。この商品開発の際にモットーにしているのが何より
も「わかりやすさ」です。常に新しい商品を開発しているため、どのような
商品なのかを名前だけで想像しやすくするのが鉄則で、「覚えやすく、リズ
ム感があり、1秒でわかる」を基本にしています。いかに分かりやすいネ
ーミングにするかについて日々議論されているようです。
「わかりやすいネーミング、わかりやすいパッケージ、わかりやすい広告、
わかりやすい店頭」この四つをあわせて「四位一体のマーケティング」と呼
ぶのだそうです。
代表取締役の小林豊氏は インタビューで「いい名前だと思ったら調査をかけ
る。 他の会社が商標を既に持っていてダメだとなると、不使用の申請をした
り、買えるものであれば買いに行きます。それぐらい商品名にはこだわります
ね」と答えています。
※不使用の申請
日本国内で3年以上、使用されていない登録商標について、
請求により商標登録を取り消すことができる制度のこと
例えば、いまや良く知られているナイシトール。「内脂(内臓脂肪)をとる」
という由来のネーミングですが、初めは防風通聖散という漢方製剤で、ドラ
ックストアでは一番人がいかないといわれる漢方の売り場で眠っている商品
でした。
そこで、売り方を変え、おなかの脂肪が気になる中高年男性をターゲットに
名前とパッケージをかえ、「ナイシトール85」としてCMを流したところ、
一年で40億円くらい売れたようです。
小林製薬が、ネーミングに限らず、新商品のアイデアを、全社員から公募し
ています。
年間にすると、15,000件にもなるそうです。
アイデアを集めるときのポイントは、「とにかく何でも出してくれ」という
ことです。
「いいアイデアを出してくれ」と言うと、なかなかアイデアが出てこない。
誰からのアイデアでも受け付けるし、あまり難しいことは考えなくてよい、
ジャストアイデアでいい、という方針にしました。この方針なら、全社員が、
アイデアを考え続ける癖がつきます。
そして、あらゆる部署の、いろんなバックグラウンドを持った社員から、幅
広いアイデアを、たくさんの数、集めることができます。
また、とにかく皆で考える癖をつけようというのがこの制度の特徴です。
アイデアを提案すると、そのアイデアに対して、「参考になる」とか「既に
市場に類似製品があるので見送る」というように評価が必ず返ってきます。
返事をしている方は大変ですが、きちんとフィードバックがあるとアイデア
が出しっぱなしになるということはなく、社員のやる気につながり、次のア
イデアを考えるのも楽しくなるようです。
ネーミングは、売れる売れないを左右する重要な要素で、デザインの基本は
商品の特性を分かりやすく伝えることだと再認識させられました。「消費者
のためになっているか。消費者の求めるコンセプトにあっているのか?」と
小林社長は常々社員たちに問いかけているそうです。
ネーミングは、カッコいいから、とか、響きがいいから、とかそういう理由
で選ばれることも少なくないそうなのですが、それは、会社目線の発想です。
小林製薬は、とことん、お客さま目線で考えているからこそ、「お客さまが、
わかりやすいネーミングかどうか」というシンプルなルールに、たどり着い
たのだと思います。
現在のカテゴリー ほか記事一覧
現在のカテゴリー:企業の取り組み・戦略コーディアル人事労務オフィス
代表:柳澤 育太(社会保険労務士)
〒111-0055
東京都台東区三筋1-7-1 ニューウィング蔵前302号
TEL : 03-5823-4292
FAX : 03-5825-4147
URL:https://cordial-office.com/
サービス内容
アウトソーシング
・ハローワークの事業所登録・求人申込代行
・給与計算
・社会保険・労働保険の手続き代行
・助成金申請代行
・派遣申請代行
コンサルティング
・労務相談
・就業規則・諸規程作成及び改訂
・人事制度構築・改定
・セミナー・研修講師