今回のテーマは「ソフトバンクのブランディング戦略」についてです。
ソフトバンクは、「10年かかるブランディングをたった1年で決着させた」ともいわれ、その超短期間での成功は目を見張るものがあります。
Yahoo!BBが世の中を賑わせていたころ、クリエイティブディレクターの大貫卓也氏がブランディングのオファーを受けました。
有名な話ですが、孫正義氏は坂本竜馬に心酔していて、金や名誉のためではなく、かの有名な竜馬のセリフ「日本を今いちどせんたくいたし申し候」という心意気のもと、明治維新を成し遂げた竜馬に、孫氏は今の自分を重ねているそうです。
その話を受けて、大貫氏が目を留めたのは、坂本竜馬率いる海援隊の旗印。「白地に二本の赤の横線という、別に普通の旗なんですが、それを見た瞬間、『あ、答えがあった』と思いましたね。」と大貫氏は語っています。
「二本の横線は、『イコール』を示している。つまり、『答えを出す』という行為の象徴。孫さんはとてつもない実行力があって、坂本竜馬のように、
どんどん世の中を変えて答えを出している。孫正義そのものが、この『イコール』に全部表現されているんです。」
ソフトバンクのロゴは、シンボリックな「イコール」にシンプルなフォント。Yahoo!BBの価格破壊からつきまとっていたソフトバンクの「安売り」とい
うイメージを「安くてカッコいい」というイメージに変えるため、デザインされました。
また、高級感を出すために携帯電話事業に限ってはロゴの色をイエローからシルバーに変えました。「安さ」と「カッコいい、高級感」という一見相反
するようなブランドイメージのバランスをとるために、「特別あしらえました」というものでなく、誰がPCで打っても表現できるようなものがふさわ
しいと、ロゴの文字は平成明朝という一般的なフォントが元になっているそうです。
ソフトバンクの広告でも「安さ」と「高級感」が同居しています。「お父さん犬」のホワイトプランのCMは好感度ランキング1位になるほどの人気です
が、ご存知のとおり、他にキャメロン・ディアスとブラッド・ピットという二大ハリウッドスターを起用したCMや20色もの端末の色数をそろえた
「PANTONEケータイ」のおしゃれなCMもあります。
前者のホワイトプランのCMは、親近感があって、安さをアピール、かたや後者のCMは、「高級感」を目指したイメージ戦略のようです。高級感とはいったものの、実際CMを見てみると、明るくテンポの良い曲に合わせて、憧れのスターがコミカルな雰囲気を醸し出しています。その時点で高級感から少し離れて来ていますが、憧れのスターを身近に感じさせるという狙いがあるのであれば、親近感という点で二つのCMに一貫性が生まれます。
「着地点の風景が見えている経営者が、分かりやすく未来の形を提示できる。確実に着地をイメージできるかがブランディングに成功する企業とそうでない企業の差だ」と大貫氏は語ります。
ソフトバンクはひとつの大きな志があったので、分かりやすく鮮烈な打ちだし方で競合他社と明確に差別化できたのではないでしょうか。
最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございました。
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