最近、労災保険の休業(補償)給付を請求するために平均賃金の計算をすることが多くなっています。
休業(補償)給付以外にも、休業手当、解雇予告手当、年次有給休暇の賃金などに使用される重要なキーワードですので、ここで詳しく見ていきたいと思います。
まず、計算方法ですが、月給制社員と時給制・日給制・歩合給制のアルバイトやパートタイマーでは計算方法が違います。
【月給制社員の場合】
3ヶ月に支払われた賃金総額÷3ヶ月の暦日数
【時給制・日給制・歩合給制のアルバイトやパートタイマーの場合】
3ヶ月に支払われた賃金総額÷3ヶ月に働いた日数×60%(月給制社員の場合の計算方法と比べて高いほうが平均賃金になります)
注意点としては、下記4点が挙げられます。
1.賃金締切日がある場合は、賃金締切日から起算します。
2.入社してから3ヶ月に満たない場合は、入社後の期間で計算することになります。
3.下記の期間については、その日数及び賃金額は上記の期間及び賃金総額から控除します。
・業務上負傷、又は疾病にかかり療養のために休業した期間
・産前産後の休業した期間
・使用者の責任によって休業した期間
・育児・介護休業期間
・試みの使用期間
4.下記の賃金については、上記の賃金総額から控除します。
・臨時に支払われた賃金(結婚手当、私傷病手当、退職金など)
・3か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
・労働協約で定められていない現物給与
それでは、実際に計算してみましょう!!
【事例1~月給制社員の場合~】
賃金締切日 月末〆
6月の賃金 300,000円
7月の賃金 330,000円
8月の賃金 320,000円
(300,000円+330,000円+320,000円)÷(30日+31日+31日)
=13,586.95(小数以下3位切り捨て)← これが、平均賃金!!
【事例2~時給制や日給制又は歩合給制のアルバイトやパートタイマーの場合~】
賃金締切日 月末〆
6月の賃金 90,000円(労働日数10日)
7月の賃金 100,000円(労働日数12日)
8月の賃金 92,000円(労働日数11日)
i(90,000円+100,000円+92,000円)÷(10日+12日+11日)×60%
=5,127.27円(小数以下3位切り捨て)
ii(90,000円+100,000円+92,000円)÷(30日+31日+31日)
=3,065.21円(小数以下3位切り捨て)
iの方が高いので、iが平均賃金になります。
いかがでしたでしょうか?
それほど難しい計算ではないので、実際、平均賃金を算定しなければならないときは参考にしてください。